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Mayumi Agawa

自分が創りたいパンを創る

パン・アーティスト

旦那さんとの出会い

私がauショップで働いていた19歳の頃、毎日、お店のカウンターの隅に座って、ずっと携帯いじってる男子高校生が居たんです。

店長と「変な高校生、毎日来るねー」って話してたんです。

それが、今のうちの旦那なんですけど(笑)

 

駅前だったから、当時は高校生のたまり場的な感じもあって、それ程、不自然ではなかったんです。

そんな感じで、半年くらい毎日通って来てたんですよね。

ところが、ある日、1日だけ来ない日があって。

それが、気になって気になって仕方がなくなって、あれ?って思った時から、急に意識する様になって。

 

Q)それ作戦じゃないですか?

 

そう、みんなそう言いますね(笑)

 

で、彼が高校を卒業した後に、2対2でご飯食べに行ったんです。で、何回か4人でご飯食べに行ってたら、段々人柄も見えて来て真面目そうだし良い子だなと思い始めたら、そこから段々、向こうのアプローチが始まって来て。

 

Q)旦那さんの長い作戦ですね

 

そうですね。だから付き合う迄が長かった気がします。

 

Q)結婚を決めた理由は何ですか?

 

旦那さんに「結婚しよう」って言われて、NOって言う理由が無かったんです。

ただ海外には行きたかったけど、別に結婚してから行っても良いかなと思ってたんです。

元々、結婚願望っていうのが無かったんですよ。

私、すっごい自由人なので。

 

彼とも4年間くらい付き合ってたし、

私が何をしても「ダメだよ」って言う様な人じゃないし、常に応援してくれる。

そういう人だから、結婚しても私が別に困らないんじゃないかなと。

自分の目で見て確かめる

二十三歳で結婚。一年間海外に行く準備して、二十五歳で海外へ渡りました。

 

Q)よく旦那さん海外行きを許してくれましたね?

 

私、結婚する前から、ずっと言ってたんですよ。

「海外に行きたい。行くから!」って。その為のお金も自分で貯めてたんです。

 

Q)旦那さんは、海外行くって言った時どういう反応でしたか?

 

「そんなに勉強したいんだったら、頑張っておいで」みたいな感じでしたね。『ダメ』って言われた事がないんです。

 

Q)奥さんの事、大好きなんですね!一緒に行くって言いませんでした?

 

言いませんでしたけど、誘ったら一緒に来たでしょうね(笑)

Q)カフェの夢っていつ頃から持ってたんですか?

 

十九・二十歳の頃から、ずっと言ってますね。「お店やりたい。カフェしたい。」って。なんか飲食店がしたいって言うよりも、こういう空間が好きだったんですよね。

自分の好きな家具を置いて、好きなデザインで、心地良い居場所で、コーヒーを飲んだり、まったりするっていうのが好きで。

自分もカフェ巡りじゃないけど、色んなカフェ行って、あーここ良いなぁとか、そういうのやってたんですよ。好きで。

 

Q)でも二十代の頃って、そんなに数無かったでしょ?

 

そう。しかも行っても、和カフェ?古民家を改装したお店が多くって「私がやりたいのはこれじゃない」って思ったんですよ。

 

カフェ凄く居心地良いけど、似たり寄ったりで、なんかみんな似たような感じのお店が多いなぁ。と思って。

ほんと漠然とですけど、ちょっと違うなってずっと思ってた時に

じゃあ、何を見たら良いのか、何を見て学んだら良いのかな。って思ったんですよ。

で、じゃあ、もう本場に行ってみようって。

本とか雑誌とかを読んでも、分からない。それなら、現地に行って確かめようと思ったんですよ。

 

コーヒーもどういうコーヒーなのか?

お店もどういう雰囲気なのか?

お食事もどういったものを出してるのか?

“自分の目で見て確かめよう”と思ったんですよね。

“シンプルなのに味わい深くて、香ばしくて、

                小麦の匂いがして”

全部で、十四カ国廻ったんです。

一応、語学学校に通いながら廻ったんですよね。

イギリス、オランダ、ドイツ、スイス、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、モナコ、アンドラ、オーストリア、バチカン。

 

学校は、イギリス、フランス、イタリア、ドイツの語学学校を予約してました。

ホームスティとシェアで。海外に居る日本人が繋がるサイトが有って、そこから情報を仕入れてましたね。

 

Q)語学学校だったんですね。料理学校で、料理を習ったりはしなかったんですか?

 

イタリアでは、本場のトスカーナのお料理講座っていうのが有って、それに二ヶ月位通って、向こうのシェフに教えて貰いました。

 

その他には、スペインに居る時なんですけど、ホームステイ先のお母さんが、本当に料理上手なお母さんで、そのお母さんにパンを教えて貰ったりですね。

 

そのお母さんのパンは常に手作りなんですよ。酵母の菌からたてて。

 

お水と塩と小麦と酵母で作る、ホントにシンプルなパン。

私、日本に居る時はハードなパンってほとんど食べなかったんですけど、そのお母さんが作るパンが、凄く美味しくって。

 

“シンプルなのに味わい深くて、香ばしくて、小麦の匂いがして”っていうのが凄く印象的で、お母さんが作るとき、どうやって作るの?みたいな感じで、一緒に教えて貰いながら作ったのが、パンにどっぷり漬かったキッカケなんですよね。

 

Q)じゃあ、そこまでは、カフェっていう頭で、パンっていうのはあまり頭に無かった?

 

無かった。全く無かったですね。

 

お母さんに教えて貰ったレシピのパンで、リュスティックっていうパンが有るんですけど、

お母さんのレシピのリュスティックは、水分量がとっても多くって、中々難しくて成功しない。

 

でも、本当美味しいんですよ。外がパリッてなって、中が気泡が多くて、フワッとしてるんです。

思い出したいんですよ。あの時食べたパンっていうのを。

粉もお水も酵母の環境だったりとか、そういうのが全て揃わないと出来ないパンなんだろうなって思います。

 

Q)言葉は困らなかったですか?

 

全くゼロからのスタートだったんです。

元々、英語が好きとか、英語が喋れるからって海外に行った訳ではなくて。

「ホントに喋れないけど、大丈夫かな私。」ぐらいな感じで行きました。

でも、ちゃんと生活出来てたから、今思えば凄いなって。

 

Q)誰か頼る人が向こうに居た訳ではないでしょ?

 

そうですね。ドイツの学校行ったときに、日本人、私一人だったんです。街歩いてても日本人は居ませんでしたね。だから頻繁に、スカイプで旦那さんと話してました(笑)

 

フランス・リヨンって食の街なんですけど、

そこで出会った子が、飛び込みで色んなレストランに行って「私を雇って下さい」ってやってたんです。フランス語で履歴書書いて。

ずっと断られ続けてたんですけど、ついに一つ星レストランで、良いよって言ってくれた所が有ったんですよね。

それで、彼女がそこで働きながら、自分の家に帰って復習する時に、私も隣で料理習いながら、一緒に食べるっていうのをずっとしてたんですよ。

今、考えたらかなり贅沢な体験ですよね。

 

Q)帰りたくは無かったんですか?

 

帰りたく無かったです(笑)

でも、旦那さんにも費用面でだいぶ迷惑を掛けてたんで。

当初予定の倍くらい掛かってしまってましたし。

 

ある程度、ヨーロッパをバーっと廻って、あと残り三ヶ月しかないなって時に、ちょっと違う国にも行ってみたいと思って、イギリスからニューヨーク行ったんです。

 

ベーグル食べたい、ベーグル。ってノリで。

で、ブルックリンに滞在して、ベーグル屋巡りですよ(笑)

 

そろそろドイツに帰らなきゃってなった時に、

その前に、折角だから、ナイヤガラも見ておきたいと思ってニューヨークからカナダにも行きました。

 

Q)パワフルですねー。

自分のパンの原点

Q)留学の経験が、「パンの見た目にもこだわる」今のスタイルにも影響を与えてます?

 

向こうのお料理とか、ショーウィンドウから見えるんですけど、すっごい色とりどりで、めっちゃ綺麗なんですよ。

見ても美味しそうだし、目で見て美味しいってこういう事言うんだなと思って。

見てるだけで買いたくなるんです。

色もカラフルだし、つやつや光ってて綺麗だなとか。

 

自分も、そういうパンを作ろうって思って。

だから色にこだわるんです。

カラフルな色にこだわる。

グルグルパンの色も色々作ったり、野菜を練り込んだり、お野菜を使ってカラフルに綺麗に見せるパンを作ったりとか。

 

普通のパンを作っても面白くないなと思ったんですよ。

どこにでも有るパンを作っても、誰でも作れるじゃんって思っちゃったんですよね。

 

バサラのシェフにも言われたんですけど、

「poisさんのパンって、個性が凄い強すぎるよね。でもその個性が好きな人にはクセになる。何か、一般受けはしないけど一部のマニアにはかなり受けるよね。」って。

確かにそうだなって思います。

 

万人受けする様なパンを作りたい訳じゃないんです。

私のこのクセのあるパンが好きって言ってくれる人が買ってくれたら良いなって思って。

ホントに自分のこだわりがギュッと詰まったパンをいつも作ってるんですよね。

だから、ちょっと変わったパン多いでしょ?

 

Q)何かコンセプトが有るのかなとは思ってました。

 

私はとにかく野菜が一番好きなので、野菜を使う事と見た目や形にこだわってます。

 

普通の形のパンじゃなくて、何かちょっと変わった形にしたりとか、

栄養素が豊富で、栄養価も高くて、美味しくて、見た目も良くて、っていう様なパンを作りたいなとずっと思ってるんです。

だから、ちょっと形が悪かったり、少し焦げ目が強かったりするパンは、普通は大丈夫だろって思う様なパンでも、出さないんです。

 

ダメなんです。何か気になって仕方無くて。

完璧なモノをお出ししたいから、ちょっとでも自分が気になる事が有ったら、もうダメなんですよね。

手伝いに来てくれる母とそれで良く揉めるんです(笑)

 

Q)新しいパンの試作時は、相当時間掛けるんですか?

 

もう、何回も作ります。

生地でも、そのパンの具に合った生地、例えばこれで良いかなと思って作っても、具を載せて食べてみて、「これ違うな」と思ったら、何度でもやり直し。

その繰り返しですね。

 

それと、私が同じパンが何回も作れない人なんです。

 

Q)飽きちゃうって事ですか?

 

そう、お客様はそれを求めていらっしゃるかも知れないけど、自分が飽きちゃうんです。同じパンを作るのに。

だから、毎回違うパンを出すんです。

次から次に新しいモノ作って、お客様も喜ばせたいなという想いも有ります。

 

Q)アーティストなんですかね。自分の作品を受け入れてくれる人が買いに来てくれればっていう。

 

そうなんですよ。

だから、レシピも何百枚って有ります。

 

パン教室やってて、何で生徒さんが飽きないかって言ったら、毎月違うパンをずーっとやってるんですよ。この七年間。かぶった事がないんです。

それも昨日、生徒さんに言われて初めて気がついたんですけどね(笑)

一回の教室で二種類パンを作るんですよ。

それを十二ヶ月だから、一年で二十四種類。

 

だから、寝るヒマが無いんです。寝るヒマが無くても色々作りたい。やりたいからやってるって感じ。

 

教室の他に、チポーラさんやカフェで出す内容を

ずーっと頭の中で、ぐるぐる考えてて、考えてない時が無いくらいなんです。

今後の方向性と原動力

Q)今後、poisをどうしていきたいと思ってますか?

 

カフェをメインにという風には、今は考えてないです。

仕込みが大変で家族にも負担が掛かってしまうので。

 

講師の仕事をもう少し増やしたいなとは考えてます。

今までは、ここでやる教室がメインだったんですけど、今後は外にも出て行こうかなと思ってます。

合同ガスさんでの講師や、バサラさんとコラボしてのパンとお料理教室、UCHICAFE灯さんとのコラボ教室などですね。

 

そういう形で、外に発信して行こうかなと思ってます。

もっと忙しくなっていくとは思いますけど。

 

Q)常に詰め込んで行く感じですね。まだキャパが有ると思ってる?

 

本当は無いんですよ!

無いけど、どうにかなるかなと思っちゃうんですよね。

1日の睡眠時間は、2,3時間です。1日24時間じゃ足りないです。

エンジンは自分のやりたい願望ですかね(笑)

 

Q)旦那さんは、家の事とか協力してくれます?

 

料理は、私がキチンと作りますけど、他のほとんど出来る所は旦那さんがやってくれてます。

子供の面倒見たりとか。お風呂入れたりとか、次の日の準備とか。

アイロンかけたり。そういうのは、ホント旦那さん任せ。

私が、そういうのが出来ない位、忙しいんですよ。ホントに。

ずっとキッチンに立ってる状態で。

 

だから、本当に申し訳無いとは思ってます。

もう私のパートナーはあの人じゃないと無理なんです。ホントに。

[Interviewer]Tsugu

[Photo&Editor]YASUMURO

【pois(ポイス)】

 阿川  真弓

 

 TEL:083-237-9120

 ADDRESS:山口県下関市大字吉田856-2

 blog:http://ameblo.jp/pois1213/

 

[cafe]

 営業日:毎週金曜日のみ(ランチは完全予約制です)

 営業時間:11:30〜16:30

[パン教室]

 時間10:00〜14:00

 料金3,500円

 手捏ねで2種類のパンを作ります。(メニューは月ごとに変わります)

 

 詳しい日程はblogやFacebookでご確認下さい。

 blog : http://ameblo.jp/pois1213/